「育休を申し出たら、難しいと言われた」
これは、このブログを書いている私(チョコみつパパ)が第二子(2026年9月出産予定)の男性育休を会社に相談したときの話です。第一子のときは2か月スムーズに取れた。じゃあ第二子は?と思って半年以上前に相談したら、返ってきたのは「難しい」の一言でした。
理由を聞いて、さらに驚きました。「現在の部署が少人数体制になっているから」というんです。
なぜそうなったかというと、新年度になって人員削減が上層部で進められていたようでした。しかも、その人員削減は「私が居る前提で減らしても問題ない」というニュアンスで判断されていたことが、私のいないところで話されていたようです。
つまり「お前がしっかり働くから、その前提で人を減らした。だから育休は難しい」という論理です。
しかも、会社の上層部から言われたのは、「自費でサポート(ヘルパー等)を手配することを優先してはどうか」というニュアンスのことでした。
これ、ちょっと信じられないですよね。男性育休は法律で認められた権利なのに。
この記事では、男性育休の申請手続きの基本から、こういう「理解のない職場でどう向き合うか」という現実的な部分も含めて、リアルな体験談をもとに書いていきます。
男性が取得できる育休は2種類|制度の基本を知ろう
まず制度の話を整理しておきます。男性が取得できる育休には2種類あります。
産後パパ育休|出生後8週間以内の最大4週間
2022年の法改正で新設された制度です。
- 出生日から8週間以内に取得
- 最大4週間(28日)
- 2回に分割して取得できる(ここが重要)
- 妻の入院中から申請可能
2回分割できることで、「出産直後に2週間→妻の回復度合いを見て、また2週間」という柔軟な使い方ができます。
通常の育児休業|最大1年間
こちらが従来からある「育休」です。
- 子どもが1歳になるまで取得可能(最大1年)
- パパ・ママ育休プラス:夫婦で交互に取得する場合、1歳2か月まで延長可
- 延長要件を満たせば1歳6か月・2歳まで可
2種類の比較表
| 項目 | 産後パパ育休 | 通常の育児休業 |
|---|---|---|
| 取得期間 | 出生から8週間以内 | 子ども1歳まで |
| 最大期間 | 4週間 | 1年間 |
| 分割取得 | 2回まで可 | 2回まで可(2022年改正) |
| 給付金 | あり | あり |
男性育休の申請手順|妊娠中から出産後の流れとロードマップ
妊娠安定期ごろ|上司に早めに相談する
男性育休の取得を考えているなら、安定期に入ったあたりで上司に伝えておくのが理想です。理由は二つ。
- 会社側が人員計画を早めに立てられる(トラブルが少なくなる)
- 「事前に伝えておいた」という事実が後の交渉の材料になる
私の場合、第一子のときは2か月取得をスムーズに認めてもらえました。当時は部署に余裕があり、育休中の体制で回せたからです。
第二子の相談では「難しい」と言われましたが、それでも早期に相談したことでメールの記録が残り、会社側の対応を記録し続けられています。早期相談は制度的にも戦略的にも有効です。
出産2週間前まで|申請書類をそろえる
- 会社の育休申請書(人事部・総務から入手)
- マイナンバーカード or 住民票
- 母子手帳のコピー(出産予定日が記載されているページ)
- 会社の承認通知をもらって確定
やり取りはメールで行うことを強くすすめます。 後で「言った・言わない」になりがちなのが育休交渉の現実。すべて書面で残しておくことが、いざというときの守りになります。
出産後|給付金申請は会社経由
- 出生届を市町村役場に提出
- 会社に出生通知を提出(「〇月〇日に生まれました。育休開始日は〇日からです」)
- 育児休業給付金の申請は会社経由でハローワークに行う
- 社会保険料の免除申請も会社経由
給付金の振込は申請から2〜3週間後。育休開始直後はつなぎ資金が必要になるので、3〜4週間分の生活費は事前に用意しておくと安心です。
育児休業給付金はいくらもらえる?男性育休の家計シミュレーション
「育休を取るとお金が心配」という声をよく聞きます。実際の数字を整理しておきます。
基本の計算ルール
- 育休開始から180日目まで:給付率67%
- 181日目以降:給付率50%
月額賃金30万円の場合の目安:
- 最初の6か月:約20万1,000円/月
- その後の6か月:約15万円/月
2025年改正|出生後休業支援給付金
2025年4月から「出生後休業支援給付金」が新設されました。育児休業給付金にこの給付金が上乗せされることで、実質的に手取り10割相当に近づく制度です。
夫婦ともに14日以上の育休を取得した場合が対象のため、夫婦で育休の取り方を設計することが重要になってきます。
社会保険料免除の効果
育休中は健康保険料・厚生年金保険料が全額免除されます。
| 項目 | 金額(月額30万円の場合) |
|---|---|
| 育児休業給付金(67%) | 約201,000円 |
| 出生後休業支援給付金(上乗せ・給付率+約13%) | 約39,000円 |
| 社会保険料免除分 | 約50,000円 |
| 実質的な手取り効果 | 約290,000円相当 |
通常の手取りと大きく変わらない水準を確保できます。
「育休は難しい」と言われたとき|職場の壁の現実と対処法
ここが、この記事で一番伝えたい部分です。
男性育休を法律で拒否することはできない
育休は法律(育児・介護休業法)で認められた権利です。企業が育休取得を拒否することはできません。また、育休取得者に対して「不利益な扱い(降格・減給・解雇など)」をすることも違法です。
ただし、現実はそんなに単純ではありません。
「法律違反だ」と言うだけでは解決しない
私が直面した状況は、こんな感じでした:
- 私の働き方の前提があったうえで人員配置が見直されていた
- 「あなたがしっかり働く前提で減らした人員」という論理がある
- 会社の上層部から「自費でサポートを手配することを優先してはどうか」というニュアンスのことを言われた
育休は権利です。サポート手配の話ではありません。でも、この種の発言が出てくること自体に、職場の意識の現実があります。
「法律違反だ」と一蹴することは簡単です。でも実際問題、育休取得後もその職場で働き続けるなら、全面対立は得策ではありません。
妻から学んだ「ゲームとして考える」という視点
この状況でかなりストレスが溜まっていた時期、妻からこんな言葉をもらいました。
「人間だから、わからないこと、理解できないことはある。それが法律に触れることでも。わかってもらおうとするのはすごく疲れることだから、わかってもらおうとは考えずに、少しでもこちらに寄り添った提案に寄せられるように動くことだけを考えればいいんじゃない?」
この言葉で、だいぶ楽になりました。
理解させようとするのではなく、こちらの理想に少しでも近い形に持っていくゲームとして動く。証拠を記録しながら、関係性をできるだけ保ちながら、着地点を探していく。
完全な勝利を目指すのではなく、「今の職場で働き続けながら、できる限り育休を取る」というゴールに向けて動いています。
それでもその職場で働く理由
育児に理解がないことは大きな問題ですが、それ以外の条件(人間関係・福利厚生・給与)は総合的に見て理想的な職場なんです。だから辞めるという選択は今は考えていません。
男性育休に理解がない職場がまだたくさんある現実を、この記事を読んでいるパパにも知っておいてほしいと思います。
育休の本質|「手伝い」ではなく「当事者」として
制度や手続きの話が多くなりましたが、最後に一番大事なことを書かせてください。
私が男性育休を取りたい理由は、「妻の産後の負担を減らすため」だけじゃありません。
主体的な育児参加者になるために、この時期に2か月以上の時間が必要だと思っているからです。
「育児を手伝う」という言葉があります。でも、手伝うというのは、本来やらなくていい人がやる言い方ですよね。育児は、父親も母親も、等しく当事者だと思っています。当事者として動けるようになるには、ゼロから一緒に育ててきた経験が必要で、その経験を積む時間が育休だと感じています。
第一子で2か月取得してわかったのは、育休明けも自主的に動けるかどうかが分かれる、ということでした。育休中に一緒に過ごした時間があったから、「言われなくても動ける」という感覚を持てています。
専業主婦+片働き家庭でも同じだと思います。平日は役割分担があっても、土日祝は両親が対等に育児・家事に向き合える状態を作っておかないと、長期的に妻の負担が増えていく。「自主的にできる」かどうかが、家庭の持続可能性を決める。
まとめ:男性育休は「取れるかどうか」より「どう取るか」が問題
- 男性育休は法的な権利。企業に拒否権はない
- 制度は複雑に見えて、申請手順自体はシンプル
- 現実には「難しい」と言う職場もある。そこへの対処法を持つことが大事
- やり取りはすべてメールで記録する
- 対立より「ゲーム」の感覚で進める方が精神的に楽
- 育休の目的は、当事者として育児に参加できる自分になるため
男性育休の制度について知ることも大切ですが、もっと大切なのは「なぜ育休を取りたいのか」を自分のなかで明確にしておくこと。それがあれば、職場に理解がなくても、軸をブらさずに動ける気がしています。
育休は「取れるかどうか」じゃなくて「どう取るか」の問題です。今の状況でできる最善の動きを積み重ねていけば、必ず着地点は見つかると思っています。同じように悩んでいるパパの参考に、少しでもなれたら嬉しいです。


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