保育園に通い始めると、必ずやってくるのが「お熱が出たのでお迎えお願いします」の電話です。共働きの我が家も保育園の呼び出しに何度も向き合い、行き着いたのが夫婦の「当番制」でした。この記事で書きたいのは、育児にやさしいとは言えない職場もまだまだ多い中で、急な呼び出しにどう立ち振る舞うかです。当番表の中身、職場が育児に寛容じゃない側の工夫、病児保育のリアルまで、実体験ベースでまとめます。
保育園からの呼び出し、我が家は「当番制」にした
まず我が家の体制から。共働きで、妻は時短勤務中(8時〜15時。子が1歳3か月で解除後は8時〜16時45分)。私は建前上8時半〜17時ですが、実際は8時から17時半ころまで働いていて、これでも調整はぎりぎり。仕事を残してしまう日もたまにあります。保育園の預かりは最長7時半〜18時。私が車出勤で、妻が第2子を妊娠中の今、送り迎えは私の担当です(保育園の送り迎えの段取りは別記事に書きました)。
問題は日中の呼び出しの電話です。発熱、嘔吐、感染症の疑い──保育園1年目は本当によく呼ばれます。そのたびにどちらが行くか決めるのは思った以上に消耗します。そこで導入したのが「呼び出し対応の当番制」です。
火・水は妻、木・金は私、月曜は隔週交代──当番表の中身
我が家の当番表はこうです。
- 毎週の火・水曜 + 第1・3月曜 → 妻
- 毎週の木・金曜 + 第2・4・5月曜 → 私
当番の日に呼び出しがあったら、その人が迎えに行き、必要なら翌日以降の自宅保育も引き受けるシンプルなルールです。
この割り振りに行き着いたのには理由があります。妻の職場は子育てに理解があり、急な欠勤にも対応してもらえる。一方、私の職場は人数が少なく、急に抜けることが難しい(あるいは、よく思われない)ことが多い。共働きとはいえ、職場の事情は夫婦で対称ではありません。それをすり合わせた結果がこの形でした。
ただ、「妻がメイン、私がサポート」という話ではありません。育児は妻の領域ではなく、私自身の領域でもある。だから私も当番を持つ。当番制はその当事者意識を仕組みにしたものです(詳細は夫婦の平等と分担のエッセイへ)。
当番制にして変わったこと
一番大きいのは、呼び出しのたびの「どっちが行く?」の交渉が消えたことです。
以前は電話が鳴るたびに「今日どうする?」「午後に外せない件が」「こっちも厳しい」というやり取りが発生し、お互いにモヤモヤが残っていました。今は電話が鳴った瞬間に動く人が決まっていて、職場にも「今日は私が対応する日なので」と言い切れる。これだけで精神的負担はかなり軽くなりました。
共働きで職場が育児に寛容じゃない側の、3つの工夫
私の職場は少人数で、急な欠勤が歓迎されない空気があります。それでも当番を降りないためにやっている工夫が3つあります。
①重要な予定は自分の当番日に入れない
呼び出し当番の日には、動かせない重要な予定をなるべく入れないようにしています。当番表は固定なので、スケジュールを組む段階で「この日は当番だから外そう」と判断できるのが利点です。
とはいえ、当番日に重要な予定が重なることはあります。そこに呼び出しが来たら──割り切って謝るしかありません。きれいな解決策はないです。謝って、調整して、次に引きずらない。それだけです。
②「当番制でやっています」と先に職場に伝えておく
呼び出しが来てから事情を説明するのではなく、「呼び出し対応は当番制でやっている」と先に職場に伝えておくようにしています。いざというとき「例の当番の日なので」で話が通じますし、「決まった日に抜ける可能性がある」と周囲が織り込んでくれる。事後の謝罪より事前の共有のほうがずっと軽い、というのが実感です。
制度面では、子の看護等休暇が2025年4月の法改正で対象が小学3年生修了までに広がり、学級閉鎖や入園式なども取得理由に含まれるようになりました。年5日(子が2人以上なら10日)。ただし有給か無給かは会社次第です(出典:厚生労働省)。制度の知識と事前共有はセットだと思っています。
③呼び出されそうな日は病児保育を選択肢に入れる
「鼻水が出ている」「昨夜微熱があった」など呼び出されそうな日に、どうしても外せない用事がある場合は、病児保育を選択肢に入れます。
ただ、病児保育はなるべく使いたくないのが本音です。他の病気のお子さんも来ている場所なので、別の感染症をもらうリスクがある。我が家では「夫婦どちらも動けない日の最後の手段」です。
病児保育の現実──施設によってルールが全然違う
その病児保育、実際に調べてみると想像以上にハードルがありました。
私の地元は近隣3か所・定員合計14人だけ
私の地元では、自宅から半径5kmあたりで病児保育をやっているのは3か所のみ。定員は合計14人です。感染症の流行期に枠が足りるのか、考えるまでもありません。
私の地元だけではないようで、こども家庭庁の委託調査(2024年)では、病児保育施設がない市町村は全体の約4割。そもそも近くにない・あっても枠がない現実は珍しくないわけです。
A施設とB施設、ルールの違いに驚いた
さらに、施設ごとに預けるルールがまったく違います。私が調べた2施設を比べると──
| A施設 | B施設 | |
|---|---|---|
| 医師の診断書 | 必須 | 不要 |
| 受付開始 | 前日11時から | 前日14時から |
| 当日の流れ | 8時から預かり | 朝9時に併設クリニックを受診してから預かり |
| キャンセル料 | なし | 1,000円 |
A施設は、前日11時までに受診して診断書をもらっておく必要があります。受診自体は子ども医療費助成で無料ですが、診断書代は自己負担。結局使わなければ掛け捨てです。
B施設は診断書がいらない代わりに、当日9時以降の診察を経てからの預かりになるので、預けるまでに時間がかかり、朝イチから仕事に入りたい日には使いにくい。
どちらが良い悪いではなく、「前日に動けるならA、当日朝に時間を取れるならB」のように、事前に各施設のルールを把握しておく必要があるということです。呼び出されてから調べたのでは間に合いません。
「なぜ私の職場だけ」と思ったときのマインドセット
最後に気持ちの話です。世の中はこれだけ男性育児を推しているのに、自分の職場では急な欠勤ひとつ言い出しにくい。「なぜ私の職場だけ」と思ったことは一度や二度ではありません。
実際、育児に寛容かどうかは職場差がまだまだ大きい。少し前の調査ですが、日本病児保育協会の2015年調査では、子どもが病気のとき仕事を休むのは母親62.7%・父親7.8%。10年以上経った今も、この非対称が解消されたとは感じません。
ただ、嘆いていても状況は変わりません。その職場で働き続けるつもりなら、ある程度は職場の現実に合わせて自分の側で設計するしかない、というのが私の結論です。当番日の予定調整も、事前の共有も、病児保育の下調べも、全部その「設計」の一部です。
もちろん、何でも飲み込む話ではありません。私の場合「当番の日は私が対応する」という線は譲りません。譲ったら当番制が崩れ、しわ寄せが片方に集中するからです。折り合えないなら職場を変える選択肢も含めて考えればいい。歩み寄りもせず不満だけ抱えて働き続けるのが、一番きついと思います。
そして、「なぜ私だけ」と感じているのは、あなただけではありません。私が男性育休を取ったときもそうでしたが、職場と折り合いをつけながら育児の当番を持つ人は、表に出ないだけで意外と多い。そのことが少しでも気持ちの支えになればうれしいです。
まとめ:保育園の呼び出しは「来るもの」として仕組みで備える
保育園からの呼び出しは、必ず来るものです。だから来てから慌てるのではなく、仕組みで備えることにしました。
- 夫婦の当番制で「どっちが行く?」の交渉をなくす
- 重要な予定は自分の当番日に入れない(無理なら割り切って謝る)
- 「当番制でやっている」と職場に先に伝えておく
- 病児保育は最後の手段として、施設ごとのルールを事前に把握しておく
完璧な体制ではなく、今もうまくいかない日はあります。それでも、電話が鳴った瞬間に「今日は自分が動く日だ」と迷わず立ち上がれるだけで、共働きの毎日はだいぶ楽になりました。同じくモヤモヤしている方のたたき台になれば幸いです。
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